それをお金で買いますか。市場主義の限界

この本は以前ブログで書いた。『これから正義の話をしよう』を書かれた。

マイケル・サンデル氏の本です。

 

 

devilkarmadevil.hatenablog.com

 

 

お金で買って良いものとお金で買っては良くないものは何かを考える内容になっています。

市場主義が行き過ぎるとどうなるか?

市場主義 VS 社会的道徳.市民善 の構図で話が進んでいきます。

 

アメリカで実際にあった事例が紹介されてて興味深かったです。

例)1.保育園の迎えに遅れることへの罰金(延長料金)を取るようにすると迎えに

       遅れることへの罪悪感がなくなり、実際に遅れる人が大幅に増えた。

            2.スピード違反の罰金、お金持ちの人はスピードを出すための料金と解釈した

                                  etc.

 

なんでもかんでも、値段をつけるのは公平性をなくし腐敗に近くと述べられていました。

・行列への割り込み券・臓器売買・本をたくさん読んだ子供にお金を支払う

・今年どの有名人が亡くなるか賭ける・命名権の売買                              etc.

 

行きすぎて怖いとさえ感じられる事例もありました。

 

道徳的に問題があるような商品だけれども、効用を考えると全て否定できないとも感じました。

現に、当たり前のように日本人の大半は生命保険など入っていますが、昔はたくさんの否定的議論が出ていたことには驚きました。

僕は生命保険に入っていないので、昔の人の意見に共感するところがありました。

 

金銭的インセンティブが必ずしも有効じゃない場面があるのにも驚きました。

何が正しいのか、規範的ボーダーラインはどこなのかの議論がこれから必要になっていくことでしょう。