夜と霧

この本は、オーストリアの心理学者で精神科医ヴィクトール・E・フランクルという方が、第二次世界大戦時の、ドイツの強制収容所で被収容者となり。

その時、被収容者の精神状態について分析された本です。

 

あらすじ

第一段階 収容(強制収容所に収容されるまで)

        アウシュヴィッツ駅/最初の選別/消毒

        人に残されたものー裸の存在/最初の反応『鉄条網に走る』?

 

第二段階 収容所生活(強制収容所での労働.生活.精神状態)

           感動の消滅/苦悩/愚弄という伴奏/被収容者の夢

           飢え/性的なことがら/非情ということ/政治と宗教

           降霊術/内面への逃避/もはやなにも残されてないなくても

           壕のなかの瞑想/灰色の朝のモノローグ/収容所の芸術

           収容所のユーモア/刑務所の囚人への羨望

           なにかを回避するという幸運/発疹チフス収容所にいく?

           孤独への渇望/運命のたわむれ/遺言の暗記/脱走計画

           いらだち/精神の自由/運命ー賜物/暫定的存在を分析する

           教育者スピノザ/生きる意味を問う

           苦しむことはなにかをなしとげること/なにかが待つ

           時宜にかなった言葉/医師、魂を教導する 

           収容所監視者の心理

 

第三段階 収容所から解放されて(収容所解放された後の感情)

                放免

 

感想

この作品は、ナチスを直接批判する文は少なく、淡々と被収容者の精神状態を描写した部分が多いです。

最終的に生き延びた人々は『人生に対してなんらかの生きる目的を見出した』と書かれていました。

この文で、被収容者は肉体も大切ですが精神がすごく大切なことに気付かされました。

極限状態では希望をなくした人から果てていくのだと確信しました。

どんなに非情な世界でも生きる意味を見出せれば己を保つことができるのだと感じました。

特に鳥肌が立ったのはカポー(同じ収容者でありながら、見張り役などの特別な権利を与えられた収容者)の存在です。

人間の本当の残虐さ怖さを知りました。

それと同時に、人間の本当の強さというものも感じました。

 

暗い本なので読み進めていくと辛い方もおられると思いますが。

是非人生一度は目を通すことをお勧めします。

 

 

夜と霧 新版

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