おさん
著者 太宰治
夏が近づくと無性に読みたくなり、再読しました。
ダメ夫を持つ妻を語り手とした作品になります。
男性の作家が女性目線で書く作品は珍しいです。
あらすじ
疎開先の青森が被災したため、子供を連れて東京に戻ってきた妻。
東京の勤務先が罹災して夫は失業者となり、その後、知り合いのお方たちと新しい出版
社を起こし、多額の借金を背負い。
出版社の借金の穴埋めが、なんとか出来てからは、何の仕事をする気力さえ失ってしま
った夫は、二・三週間静養に出るといい家を後にする・・・・・・・。
コメント
妻は夫の不倫を感じながらも、家では嘘でも快活にいてくれたら楽しく過ごせると思っています。
しかし、夫は不倫をしながらも道徳心が強く煩悶していて、妻を忘れていない愛していると己で己をを騙している感覚に近いように感じました。
『ひとを愛するなら、妻を全く忘れて、あっさり無心に愛してやってください』という文に妻の全ての気持ちが表れているように感じました。
私は20代ですが、妻子を持った30代になるとまた感じ方も変わってきそうです。
ヴィヨンの妻よりおさんでの夫の姿の方が煩悶しているように感じました。
男性の太宰治がここまで、女性の気持ちをわかっているのは大変驚きを感じました。
太宰治がモテるのもわかる気がしました。
惚れられるつらさ、愛せられる不安ですね・・・・・
おさんは、新潮文庫のヴィヨンの妻の中と角川文庫の女生徒に収録されています。
是非、妻子持ちの不倫されている方は読んでみてくだい。(冗談です)
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