魚服記
太宰治の短編小説の感想を書きたいと思います。
あらすじを軽く説明しますと、青森県の山奥の滝の側の、炭焼き小屋で父と娘が
春から秋にかけて炭を作っていて、夏は山登りをする人たちがいるので、その人たちに向けて茶店を開いているという話です。
娘の名前はスワと言います。
スワは冬が来るのが一番嫌いでした。
四、五日おきに、父が村にいき炭を売る日々の繰り返しでした。それだけでは、暮らせないのでスワは、山にきのこを取りに行きそれも父が売っていました。
キノコや炭が良い値で売れると父は決まって、酒臭い息をして帰って来るのでした。
時折、スワに土産も買って帰ってきました。
木枯らしが吹き天候が荒れた日、父は早朝から村に降りて行きました。
その日は外にも出れずに、スワは珍しく髪を結い。火を起こし、一人で夕飯を食べ。
父の帰りを待ちました。
夜になり待ちわびて、スワは寝てしまいました。
まどろんでいると、時々、入口のむしろを開けて、何かが中を伺う気配があった。
スワは、山人が覗き見していると思い寝たふりをした。
そのうち、粉雪が土間に舞い込んで来るのが見えて、ウキウキした。
目がさめると、体に痛みがあり痺れるほど重かった。スワは酒臭い息を感じた。
この一節で、スワは父から性暴力を受けていたのではないかという?
考察になりました。
村で、炭を売り、酒を浴びて豹変して帰って来る親父を見る。冬が辛く嫌いだったのではないかなと思いました。
この後、スワは衝撃の結末を迎えます。ぜひ本書を手に取り読んでみてくだい。
酒という言葉が非常に重く刺さりました。
晩年の中の短編として入っています。。。