家庭の幸福

これは、太宰治の短編小説にある作品です。

 

冒頭の、『官僚が悪い』という言葉は、所謂『清く明るくほがらかに』などという言葉と同様に、いかにも間が抜けて陳腐で、馬鹿らしくさえ感ぜられて、私には『官僚』という種族の正体はどんなものなのか、また、それが、どんな具合いに悪いのか、どうも、色あざやかには実感せられなかったのである。問題外、関心なし、そんな気持ちに近かった。つまり、役人は威張る、それだけのことなのではなかろうかとさえ思っていた。

 

この小説の始めが大変魅力的に感じます。

現代の若者たちとよく似た感覚に陥りました。

人の像がしっかりと浮かぶ作品です。

人の幸福は、人の涙で成り立っているのではないかと、感じてままならないのです。

 

曰く、家庭の幸福は諸悪の本。

という最後の節は、知っている人も多いと思います。

 

世の中、フェイクで固めたエゴの塊だなと思っている。自分にはすごく共感できる作品でした。

 

是非、本を手にとって読んでみいてください。

 

ヴィヨンの妻 (新潮文庫)

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家庭の幸福

家庭の幸福