皮膚と心
この作品は太宰治作品の中で最もキュートな作品の一つだと思います。
現代の少女漫画よりもキュートでバカップルな一面が見られます。
あらすじ
主人公は28歳の女性であり。自分の顔にあまり自信のない。ある日、吹き出物ができる。最初はあまり気にしていなかったが、風呂場で体をこすると吹き出物が体中に広がり、着物の下に隠せないほどのものになってしまい、ついに自分の夫に相談する。吹き出物の原因はわからず、病院へ行くことになるが、その病院の待合室で自分の不安について深く考え込んでしまう。元々顔に自信がなく、結婚するのも遅く、やっと舞い込んだ縁談の相手である夫についても乗り気ではなかったという背景を持った主人公であったが、いざ自分が病院に行くほどの病にかかったとなると、急に女としての寂しさや不安を憶えるようになり、葛藤する。
感想
太宰作品は暗闇の中での苦しみ.悩み.自嘲が多い作品がたくさんある中で、『皮膚と心』は異なった光を放ち、美しく.儚く.可愛いく切実な女心を描いた作品で大変面白かったです。
新婚夫婦の絆が垣間見える物語でしたが、二人とも劣等感を抱いていて、その影響で気をつかったり、優しすぎたりしていました。
自分に自身がないから謙虚になれるのだし、自分が傷ついてきたからこそ相手の痛みがわかるのだし、優しさ気遣いの根底には劣等感が存在するのではないかと感じる作品になっていました。
夫の仕事はデザイナーで、銀座の有名な化粧品店の、蔓バラ模様を描いたと作品に出てきますが、この蔓バラ模様は資生堂の絵柄だと言われています。
太宰治はこの絵柄に何らかの思い入れがあったのではないか?とまで想像を掻き立たせてくれる作品になっています。
女性の方はぜひ読んではいかがでしょうか?
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それをお金で買いますか。市場主義の限界
この本は以前ブログで書いた。『これから正義の話をしよう』を書かれた。
マイケル・サンデル氏の本です。
devilkarmadevil.hatenablog.com
お金で買って良いものとお金で買っては良くないものは何かを考える内容になっています。
市場主義が行き過ぎるとどうなるか?
市場主義 VS 社会的道徳.市民善 の構図で話が進んでいきます。
アメリカで実際にあった事例が紹介されてて興味深かったです。
例)1.保育園の迎えに遅れることへの罰金(延長料金)を取るようにすると迎えに
遅れることへの罪悪感がなくなり、実際に遅れる人が大幅に増えた。
2.スピード違反の罰金、お金持ちの人はスピードを出すための料金と解釈した
etc.
なんでもかんでも、値段をつけるのは公平性をなくし腐敗に近くと述べられていました。
・行列への割り込み券・臓器売買・本をたくさん読んだ子供にお金を支払う
・今年どの有名人が亡くなるか賭ける・命名権の売買 etc.
行きすぎて怖いとさえ感じられる事例もありました。
道徳的に問題があるような商品だけれども、効用を考えると全て否定できないとも感じました。
現に、当たり前のように日本人の大半は生命保険など入っていますが、昔はたくさんの否定的議論が出ていたことには驚きました。
僕は生命保険に入っていないので、昔の人の意見に共感するところがありました。
金銭的インセンティブが必ずしも有効じゃない場面があるのにも驚きました。
何が正しいのか、規範的ボーダーラインはどこなのかの議論がこれから必要になっていくことでしょう。
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淵に立つ
深田晃司監督作品で、第69回カンヌ国際映画祭『ある視点』部門で審査員賞を受賞した。作品である。
あらすじ
下町で小さな金属加工工場を営みながら平穏な暮らしを送っていた鈴岡利雄・章江夫妻とその娘・蛍の前に、利雄の昔の知人で前科者の男・八坂が現れる。奇妙な共同生活を
送り始める鈴岡家族だったが、やがて八坂は残酷な爪痕を残して姿を消す。
8年後、夫婦は皮肉な巡り合わせから、八坂の消息を徐々に掴んでいくが、それによって夫婦が隠してきたことが浮き彫りになる。そして最後の結末は?
感想
本作は鑑賞した人の理解力、想像力で意見が変わって来る作品だと思う。
八坂は異常なほど約束を大切にしていた。これが一つの鍵になるのではないかと感じました。
八坂が蛍にしたことの真相はわからないが、私は八坂は何もしてないのに、疑われたとも取れるように感じました。
八坂の息子も少し蛍に触れただけなのに、章江にキレられる場面もありました。
この場面を見て、親子のトレースが似ているように感じました。
序盤、八坂が章江に信仰心には2種類あると説明している部分がありました。
1.サル型の宗教・・・子供(信仰する人)が自分から親(神)にしがみつく
2.ネコ型の宗教・・・親(神)に子供(信仰する人)が首根っこをくわえられる
八坂は章江に対してネコ型と言っていました。
章江は『私は結構神にしがみついていると思ったけどな〜』と言っていましたが
最後の場面では、娘と一緒に自殺を図りました。
章江は敬虔なプロテスタントで、自殺は禁句なはずなのに自殺を図ったので、この時に八坂がネコ型と言っていたのは合っていたなと感じました。
また、利雄・章江・蛍は、食卓で『自身の体を子供にあげる母グモ』の話をしていました。
章江は『母グモは天国に行ける』と母グモの自己犠牲を尊く思っていました。
蛍は『子供のクモは天国に行けない』と子供のクモの罪を重く考えていました。
それなのに、最後は章江が蛍と心中をする場面だったのです。
鈴岡家は約束を大切にしていなっかった一家なのかなとも感じたりして面白かったです。
中盤と終盤の4人が川辺に寝ているシーンの配置には何か深い意味がありそうでした。
想像力で人それぞれ考察が違うので、人の感想を見るのも楽しい作品でした。
皆さんも一度は見て損はないと思います。
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家庭の幸福
これは、太宰治の短編小説にある作品です。
冒頭の、『官僚が悪い』という言葉は、所謂『清く明るくほがらかに』などという言葉と同様に、いかにも間が抜けて陳腐で、馬鹿らしくさえ感ぜられて、私には『官僚』という種族の正体はどんなものなのか、また、それが、どんな具合いに悪いのか、どうも、色あざやかには実感せられなかったのである。問題外、関心なし、そんな気持ちに近かった。つまり、役人は威張る、それだけのことなのではなかろうかとさえ思っていた。
この小説の始めが大変魅力的に感じます。
現代の若者たちとよく似た感覚に陥りました。
人の像がしっかりと浮かぶ作品です。
人の幸福は、人の涙で成り立っているのではないかと、感じてままならないのです。
曰く、家庭の幸福は諸悪の本。
という最後の節は、知っている人も多いと思います。
世の中、フェイクで固めたエゴの塊だなと思っている。自分にはすごく共感できる作品でした。
是非、本を手にとって読んでみいてください。
魚服記
太宰治の短編小説の感想を書きたいと思います。
あらすじを軽く説明しますと、青森県の山奥の滝の側の、炭焼き小屋で父と娘が
春から秋にかけて炭を作っていて、夏は山登りをする人たちがいるので、その人たちに向けて茶店を開いているという話です。
娘の名前はスワと言います。
スワは冬が来るのが一番嫌いでした。
四、五日おきに、父が村にいき炭を売る日々の繰り返しでした。それだけでは、暮らせないのでスワは、山にきのこを取りに行きそれも父が売っていました。
キノコや炭が良い値で売れると父は決まって、酒臭い息をして帰って来るのでした。
時折、スワに土産も買って帰ってきました。
木枯らしが吹き天候が荒れた日、父は早朝から村に降りて行きました。
その日は外にも出れずに、スワは珍しく髪を結い。火を起こし、一人で夕飯を食べ。
父の帰りを待ちました。
夜になり待ちわびて、スワは寝てしまいました。
まどろんでいると、時々、入口のむしろを開けて、何かが中を伺う気配があった。
スワは、山人が覗き見していると思い寝たふりをした。
そのうち、粉雪が土間に舞い込んで来るのが見えて、ウキウキした。
目がさめると、体に痛みがあり痺れるほど重かった。スワは酒臭い息を感じた。
この一節で、スワは父から性暴力を受けていたのではないかという?
考察になりました。
村で、炭を売り、酒を浴びて豹変して帰って来る親父を見る。冬が辛く嫌いだったのではないかなと思いました。
この後、スワは衝撃の結末を迎えます。ぜひ本書を手に取り読んでみてくだい。
酒という言葉が非常に重く刺さりました。
晩年の中の短編として入っています。。。
免許住所変更手続き
持ち物は:新住所証明できるもの(住民票or光熱費支払いのハガキ住所記載ありなど)
印鑑.免許証
場所は:免許更新センターor警察署(住んでるところによって違う)
今日昼ごろから、免許住所更新に行きました。
駅近くなくて、15分ほど歩きました。
しかし、なかなか警察署が見つかりませんでした。
なんども周辺を歩きました。気温も高く暑かったです。
Googleマップを使って検索しましたが、その周辺に警察署ありませんでした。
近くの交番に警察署どこか尋ねると、警察署移動しましたと言われました😖
Googleマップにはまだ更新されてなくて古い情報に持て余されました。
情報社会便利ですが、古い情報には気おつけたいと思いました。
無事に新しい警察署着きました。その場所は住んでるマンションから徒歩3分の一でした。
まさに、灯台下暗し。。。。。
グーグルマップ Googleマップ 完全活用術 仕事の効率を上げる無料地図サービスの活用ワザ
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これから『正義』の話をしよう
僕が中学生の頃に読んで、衝撃を受けた本である。
この本を読んで、哲学に興味を持ち始めました。
最初のテーマの暴走路面電車のケースをきっかけに何が正義かを考える。
功利主義、リバタリアニズム、美徳、この3つのアプローチで事細かに
分析していく、普段当たり前に正しいと思ってることに対して、マイケル・サンデル氏が問い詰めていくと矛盾が発生してくる。
哲学には答えがないことに気づき衝撃を受けた。
この本を読んで、哲学者の名前を沢山知りその人の思想を学ぶきっかけになった。
哲学は社会の基盤だと感じました。
世の中を救うのは哲学だと確信を持った。
哲学入門にすごくいい本だと思いました。
哲学難しいと思っておられる方は是非、手に取ってもらいたいベストセラーです。
これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
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